政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 する、と指がほどけていく。離れていく直前、意味ありげに私の手を撫でていった。その仕草に色めいたものを感じてぞくりとし、まんまと秋瀬くんの狙いに乗ってしまったのだと気づく。

 家に帰ったら、ではなく、今夜、と言った。

 どんな状況で、どんなふうに「好き」の言葉を言わされてしまうのか。

 うっかり想像して顔を火照らせた私を、秋瀬くんは期待の眼差しで見つめていた。


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