政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 どんな抵抗だって俺の前では無意味だと思い知らせるために、腕を掴んで手首に口づける。腕の内側の柔らかな場所に歯を立てると、びくっと真白の身体が跳ねた。

 この身体が甘やかされることにめっぽう弱いのはよく知っている。

「新婚夫婦なんだから、少しぐらい融通きかせてくれよ」

「秋瀬くんはもう少し遠慮してよ――!」

 騒ぐ口はキスで塞いでしまおう。もがく手足も、甘やかせば力が抜けてとろけだす。

 普段はつんけんしがちな真白も、こうしている間はぐずぐずに甘えて俺にデレてくれる。

 朝、ひとりで目覚めたのが寂しかった。だからちょっとぐらいデレた姿を要求してもいいだろう。

 ほんの少しだけでいいと思ったが、やっぱりたくさん求めておこう。真白が遠慮なく振る舞う俺に抗えないのは既に把握済みだ。

 俺の妻は今日も本当にかわいい。

 愛して、愛して、愛し尽くしても足りなくなるのは仕方のないことだった。


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