政略結婚のはずが、極上旦那様に溺愛されています
 先ほどむせた時点で既に食べ終わっていたのか、秋瀬くんは器を持ってキッチンに向かう。ご機嫌な鼻歌がこんなに恐ろしいと思ったのは初めてだ。

 こうなったらもやしを一本ずつ、麺も一本ずつ食べることにしよう。おいしいものをおいしいまま食べられないのは心苦しいけれど、秋瀬くんの好きにさせるわけにはいかない。

 わざとゆっくり食事を再開すると、キッチンから戻ってきた秋瀬くんが勢いよくシャツを脱ぎ捨てた。

「のんびり食ってもいいけど、逃がすつもりないぞ」

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