チャラい彼は、意外と一途


「おい、何見てるんだ!次、お前達の試合だぞ!」


先生の言葉に慌てて見るのをやめた。


女の子の試合が開始。


運動するのが好きな子が真剣な顔になるのを他人事のように見つめた。


私、球技がとてつもなく苦手なんだ。


だから、活躍なんてできない。


紗奈ちゃんは得意だけど。


私にボールが来ても変な方向に行っちゃうし、アタックは取れないしで、最悪な試合となった。


紗奈ちゃんのおかげでなんとか勝てたけど……


「ほんと、ふゆって球技ダメね」


「うん、苦手だよ。やっぱり」


紗奈ちゃんもそれはフォローできないよね。


「今度、一緒に練習する?球技大会もあるし」


「うーん、そうしようかな。その方が皆に迷惑かけないよね」


私のせいで負けたなんてことは言われたくないし。


うん、そうさせてもらう。


「じゃあ、いつにする?」


「いつでもいいよ。紗奈ちゃんの予定がない時で」


「ふゆのためなら、ちゃんと開けとくから」


紗奈ちゃんは、本当に優しいな……


「ありがとう」


優しい紗奈ちゃんとそう約束して、体育館をあとにした。


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