チャラい彼は、意外と一途


問題の明後日になった。


今日は凍堂先輩が告白する日だから、私もなんとなく緊張してしまう。


私が告白するわけでもないのにね。


近づくたびにドキドキしてくる心臓。 


でも、放課後になるのが待ち遠しい。


早く紗奈ちゃんの嬉しそうな声が聞きたいな……


放課後になって、私は作戦を決行した。


「紗奈ちゃん」


「ん?どうしたの?ふゆ」


「凍堂先輩が紗奈ちゃんに話があるんだって。一緒に帰らないかって紗奈ちゃんに聞いてほしいって言われたの。今校門で待ってるって」


「えっ、律先輩が?分かったわ、今から行ってくる!」


嬉しそうな顔をして、ピュッと走っていってしまった。


ふふっ、あとは結果を待つだけだね。


頑張ってください、凍堂先輩……


そう心の中で応援した。


紗奈ちゃんから電話がかかってきたのは、その日の5時くらい。


急いで電話に出ると、


「もしもし」


『もしもし、ふゆ!』


「どうしたの?」


分かってたけど、あえて聞いた。


本人の口から聞きたかったから。


『私、律先輩と付き合うことになった!』


すごく嬉しそうな声。


それが聞けて、私も嬉しい。


「よかったね!おめでとう!」


『えぇ!夢みたいだった』


それから、凍堂先輩との惚気を2時間くらい聞いた。


幸せそうな紗奈ちゃんに本当に嬉しくなる。


本当におめでとう、紗奈ちゃん……


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