いつの間にか、君に恋していたんだ。


しかも、今度は輝楽さん。


輝楽さんは、次に私が恋した人だった。


でも、その輝楽さんもあいつのことが好きだとこの前分かった。


どうして……


どうして、いつもあいつばかりなの!


イライラが増してくる。


立ち上がって、あいつが風呂に入ってる間にあいつの部屋に入った。


机に無防備に置いてあるスマホ。


それに手を伸ばして、ロックを解除した。


あいつのロックを解除するパスワードは分かる。


念のために、伊織さんに前の奥さんの誕生日を聞いといたから。


打ち込むと、ロックは解除された。


やっぱり、これだった。


そのまま輝楽さんとのやりとりを見ると


【おやすみ、伊鳥ちゃん】


そう輝楽さんから来ていた。


……気に食わない。


何で、こんなことしてもらえるの?


輝楽さんは女に連絡先を渡すことはないって噂なのに……


何でこいつは……


一層イライラして、私は輝楽さんの連絡先を全て消した。


……これでいい。


返信しなかったら、輝楽さんだって怒るはずだから。


もう交換することはない。


満足して、そっと部屋を後にした。


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