いつの間にか、君に恋していたんだ。


「えぇ、それに美味しそう」


「美味しいよ。小夜さん、料理上手だから。私も見習わないとね」


「伊鳥だって、十分料理上手じゃない!」


「小夜さんほどじゃないよ」


「出た。伊鳥の異様なくらいの謙虚さ」


別に謙虚とかじゃないんだけどな。


本当のことを言ってるだけ。


でも、それを言っても、どうせ信じてもらえないから言わない。
 

「由香ちゃん。肇さんと仲良くしてる?」


「はっ!?」   


話題が急過ぎたせいか、由香ちゃんはすごく驚いてる。


「な、何で肇が出てくるのよ!?」


「気になったから。それに、あれから会ってないしね」


また会いたいなぁ……


会って由香ちゃんの話を一緒にしたいし、聞きたい。


「別に普通よ」


ふふっ、肇さんの話をした時の由香ちゃんは可愛い。


私は前、こんな顔をしてたのかな……?


「そ、それより、伊鳥ってバイト始めたのよね?どんな感じ?」


「結構上手くやれてると思うよ。もう慣れたし、笑顔も自然に出るようになったから。それに、先輩達も優しいし」


分からないことがあったら、優しく教えてくれる。


ただ、やっぱり木梨先輩だけは怖いけど…… 


木梨先輩は輝楽さんのことが好きみたいで、輝楽さんと比較的仲良い私を良く思ってない様子。
  

今は行動に移されてない分、いいんだけど……


< 181 / 326 >

この作品をシェア

pagetop