いつの間にか、君に恋していたんだ。


「なるほど、そういう感じ。とりあえず、告白されたとかじゃないの?」


「告白!?ないよ!あんな人気者が私に告白なんて」


「それは分からないでしょ。でも、よかった。私の伊鳥にまだ彼氏ができなくて。できたら悲しいし」


「そういう由香ちゃんは彼氏がいるくせに」


そう、由香ちゃんには彼氏がいるんだ。


イケメンな彼氏が。


だから、たまに寂しかったりするんだよね。


きっと、拗ねたような表情を浮かべてる。


「伊鳥、可愛い!」


そんな表情をすると、決まってなでなでされる。


私のこと、完璧に子供扱い。


もう子供じゃないのに……


「伊鳥ってどんな表情しても可愛い」


「由香ちゃんはそればっかりだね」


由香ちゃんしか言わないよ、そんなこと。


「私だけじゃなくて男も言ってるのよ?伊鳥のことを小動物みたいで可愛いって」


それ、褒められてるのかな?


なんか、貶されてる気がする。


そう指摘すると……


「まさか!守ってあげたくなる可愛さってことよ!」


そうなのかな……?


よく分からない。


でも、私なんかよりも由香ちゃんの方が絶対に可愛い。


やっぱり、お世辞で言ってくれてるんだろうな……


「ありがとう、由香ちゃん」


「ったく、もう。伊鳥の無自覚さには困ったものね」


呆れ顔で何か言われたけど、私には聞こえなくて。


「何か言った?」


「何でもないわ」


訳が分からず、私は首を傾げた。



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