看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
食べ終わると、果歩は涼太朗のバイタルチェックをするのが日課だ。

「涼太朗さん、今日の体調はどうですか?気になることはありませんか?」

「ああ。変わりない。咳もマシになってよく眠れる」

「それは良かったです。今日のご予定は?」

「午前から轆轤(ろくろ)を回すから、お昼に一度声を掛けてもらえるか?」轆轤を回し始めると、涼太朗は時間の感覚がなくなり、一日中回してしまう。

「はい。わかりました」
そう最初の頃は、お互い予定の確認をする事がなかった為、涼太朗が一日作業場から出て来ず困った事があった。入っていいのかすらわからずそれ以来、前以て聞くようになったのだ。

聞けばちゃんとちゃんと答えてくれる。

こうしたリズムが漸く出来てきたのだった。

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