看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
「大丈夫です!私で出来る事は何でもします!」

「心強いよ。ありがとう」

「いえ。その代わり、穴窯で焼きに入る前には、必ず病院を受診してもらいますからね」

「わかりました」涼太朗も果歩の言うことを素直に受け入れる。端から見たら、長年連れ添った熟年夫婦のようなふたりなのだ。

お互い意識はしているが、それを言葉にしない。特に涼太朗は、自分の余命を受け入れているのだ。果歩に気持ちを伝える資格はないと思っている。自分がいなくなった後の果歩の事が一番気に病む所だ。

果歩には明るい未来があるのだ。自分が亡くなる瞬間まででいい。ワガママかも知れないが、果歩にはそれまで自分と過ごしてほしい…
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