看取り愛~あなたの子は大切に育てます~
昼間、涼太朗は高木とふたりになる事があった。

「先生、体調はいかがですか?」

「今日は、凄くいいです。今回は、高木さんにも佐藤さんにもご負担をお掛けしてますよね」

「そんな、とんでもない。作品が楽しみで、ワクワクしてます」

「そう言っていただけて、光栄です。少し、今後の事を相談しても?」

「ええ。何か心境に変化でも?」

「そうですね。自分の体の事は、自分が一番分かっているつもりです。治療をしても完治はないでしょう」

「……」高木も分かっている。

「けれど、作品さえ作れれば思い残す事はないと思ってました。でも、余命宣告から半年で『橘涼太朗』の作品は、今回の穴窯作品で集大成だと思いました。それ位、満足のいく作品が完成し、今焼いている分も成功だと確信してます」





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