緋色の魔女に恋をした



「分かった。マリー手を出して」

「何をする気?」

「いいから」



今から何かをするらしいジェイドの差し出した手に、自分の手を重ねればグッと抱き寄せられた次の瞬間…___



「急になにするのよ!」

「急にごめんね。でもこうでもしないとマリーは僕とここに来てくれないと思って」

「え…?」



___…ジェイドの言葉に周りを見渡してみれば、そこは屋敷から数百キロ離れた海の傍にある人間が作った教会の中だった。

魔力を使ってテレポーテーションしたんだろう。



「どうしてここに…」

「どうしてって…神様ってものの前で誓いたかったから」

「誓う?」



何を誓いたいの?

それも私が必要な誓いなの?


ジェイドの心理が分からないまま、探るように瞳を見つめていれば、クスリと笑われた。



「この状況で神の前で誓うっていったら1つしかないでしょ?」



ちょっと待って…それって。



「マリー」



上を向いていた視線は、下へとおりた。

私の前に跪いた彼は私を見上げ、左手を取ると薬指にキスをした。



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