緋色の魔女に恋をした



「どこかに行くの?」


こんな素直になるはずがない。いつもならもう少し粘ってくるはずなのに、と訳を訊けば。


「ちょっとそこまで出かけてくる。夕飯までには戻るよ」


そう言って、行き先をはっきりと告げずに行ってしまった。


「ちょっとそこまで、ね…」


気になると言えば気になる。けど詮索するほどではないかな。
あの子の好きにさせてあげなきゃ。


「人間には、人間の女の子がお似合いよ」


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