優しい『君』とおちていく

「……多分、それだけ、唯愛が、大切で、」


……私も。


「こんな俺を好きになってくれて、ありがとう、って、思う。」


そんなの。


「……七瀬は『こんな』人じゃないし、私のこと好きになってくれて、ありがとうだし。」


2人共、結局は同じ気持ちで。

本当に七瀬が生きててよかったし、私も生きててよかったなぁって。


「七瀬の気持ち、話してくれてありがとう!」


「こちらこそ。」


ほらやっぱり。

それであってこそ、七瀬じゃん。


「多分、それがなくても七瀬は優しいと思う。」


「……唯愛って優しいね。」


「……どっからか聞いたんだけど、優しいって言う人ほど、優しいらしいよ。」


これは絶対、七瀬にしか言わない。


「お互い様じゃん!」


……確かに。


「あとさ、前、唯愛の学校に転校する!って言ってたときあったじゃん。」


うん、覚えてる。


「うん。」


「やっぱり、やめることにした。唯愛には自分で頑張ってもらいたいし、竹田 碧もいるし。」


ありがとう。


「うん、分かった!」


「一緒に頑張ろうね。」


「うんっ!」
< 39 / 46 >

この作品をシェア

pagetop