優しい『君』とおちていく
「……多分、それだけ、唯愛が、大切で、」
……私も。
「こんな俺を好きになってくれて、ありがとう、って、思う。」
そんなの。
「……七瀬は『こんな』人じゃないし、私のこと好きになってくれて、ありがとうだし。」
2人共、結局は同じ気持ちで。
本当に七瀬が生きててよかったし、私も生きててよかったなぁって。
「七瀬の気持ち、話してくれてありがとう!」
「こちらこそ。」
ほらやっぱり。
それであってこそ、七瀬じゃん。
「多分、それがなくても七瀬は優しいと思う。」
「……唯愛って優しいね。」
「……どっからか聞いたんだけど、優しいって言う人ほど、優しいらしいよ。」
これは絶対、七瀬にしか言わない。
「お互い様じゃん!」
……確かに。
「あとさ、前、唯愛の学校に転校する!って言ってたときあったじゃん。」
うん、覚えてる。
「うん。」
「やっぱり、やめることにした。唯愛には自分で頑張ってもらいたいし、竹田 碧もいるし。」
ありがとう。
「うん、分かった!」
「一緒に頑張ろうね。」
「うんっ!」