最後の悪夢
一階から上がってきたエレベーターが四階につく。私の部屋のある階だった。
エレベーターの空間には私とシオンしかいなかった。
「じゃあ私は上の階なのでこのまま。バイバイ!」
私が廊下に出ると、そう言ってシオンが笑った。低めの声が心地よい。
私は嬉しくなって、笑顔で手を振り返した。
「話せてよかった……! ありがとう」
「こちらこそ」というシオンの声と共に扉が閉まった。五階なら、会おうと思えば会えるだろう。
こんな時でも友達ができて嬉しいと思ってしまう。こんな状況だからかもしれない。
部屋に向かう足取りが軽かった。