最後の悪夢
嵐の前の静けさ、というのはこのことなのか。
さっきの階段の時もそう。どこからともなく現れて、私を襲おうとした。本当に怖かった。
どこにいるのかの把握もできない。
爆発の音もしない。鬼が、いつもの鬼でないような。
「俺、コンサート見てきていい?」
突然、凛上がそんな提案をした。
私もシオンも勿論反対した。なに考えてんの、とシオンはその大きく開いた目で訴えていた。
「どうして?」私が尋ねる。
「現状把握」と、凛上は簡単に答えた。