最後の悪夢
三年生になってこの紙が配られたとき、まず最初に思い出したのは去年卒業した、河井先輩のことだった。
私はまだ忘れていなかった。
こんな美味しい話が本当に実在するのかと、疑っていたけれど。
わら半紙にプリントされた内容は確かに、生徒にとっては信じがたいものだ。受けて結果を出せばオール5も夢ではない。
ただ先生が言うように、
「毎年参加人数は、学年の3割ぐらいだな。先輩は『もう二度と受けない』『力はつくけど自分には合っていない』『悪夢だった』と言っている人もいた。まあ人それぞれだがな」
………なるほど。