最後の悪夢
凛上を起こさないようになるべく音を立てないように静かに立って、スマホを取りに行って、そのまま窓際に向かった。窓を少し開ければ涼しい風が部屋の中に入ってくる。外を見れば、海の向こうの地平線に向けて、青から黄、橙の淡いグラデーションが、空を流れていた。
十月後半ともなれば日が落ちるのは早い。もう次に目を向けた時には真っ暗かもしれない。私はここで一夜を過ごすのか。こんなに、今は平和なのに。
ブレザーのような重い服から解放された。優等生の服。私の腕の肌に緩くまとわりつくさらさらとした浴衣の生地を撫でる。軽い。優しい。柔らかい。心地が良い。
スマホの電源を入れる。
何件か通知があった。なんだろう、と顔を近づけて画面を見れば、チャットアプリからだった。もしかして、と思いそれを開く。