最後の悪夢
とは言っても三年間履き続けていたせいで、土汚れは染みついているけれど。
私は一つ息をついて、校舎を出る。
記憶は消えてしまうんだろうか。凛上は、覚えていてくれるかな。
今は少し怖い。でもきっと、この怖さもいつか、消えてしまうんだろうな。
ああ、もう......疲れたなあ。
途中で校舎を振り返ってみれば、まだ体育館の扉は閉められていた。
それを確認すると私は、何事もなかったかのようにまた歩き始めた。