【番】小動物な後輩君の愛が深すぎる
「来月から遠距離になるというのに……なんか俺だけ満喫してごめん」

「いや謝んなよ。俺の分まで楽しんで」



気の毒そうな顔で謝ってきた樹の肩をポンと叩いた。



「じゃあな。デート楽しめよ」

「おう。そっちも先輩と会えるといいな」







「ただいま~」

「おかえり~!」



ドアを開けた瞬間、ずっと会いたかった人がパタパタと走ってきた。



「なっ、なんでいるの⁉ 今日会えないって……」



目の前には、白いボウタイブラウスにグレーの短いチェックスカートを穿いて、髪の毛をゆるく巻いた清花さんの姿が。



「用事が早く済んで時間が余ったから顔を見に来ました!」

「そう、なの……?」



上品に笑う彼女に目が釘付けになる。

いつもと雰囲気が違う。
化粧してるからか、少し大人っぽく見える。



「プリン買ってきたから食べよ!」

「あっ……はい」
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