【番】小動物な後輩君の愛が深すぎる
うわ……よりによって、なんでこんなに画質がいいんだ。

毎回写真撮る時は、透瑠くんがくっついてくることが多いのに。



「これなら、しばらく会えなくても寂しくないな」



いつの間にか、ロック画面が先程の写真に設定されていた。

しかも、待ち受け画面も私とのツーショット写真。


待ち受けだけならまだしも、こんな間抜けな顔を毎日見られるなんて耐えられないよ!



「ちょっと! その写真はやめてよ!」

「やだ」



取られるまいと、スマホをポケットにしまった透瑠くん。



「もう……! 絶対その画面、他の人には見せないでよ⁉」

「わかってますよ。むしろ、誰にも見せるつもりはないので安心してください」



今年のホワイトデーも弱味を握られるなんて……何やってんだか。



「ねぇ、そっちのスマホにはどんな写真があるの?」

「えっ、気になるの?」

「だって俺が知らない写真もあるんでしょ?」

「まぁ……」



スマホを取り出して、写真が入っているフォルダを開く。

さっき彼が口にしたように、毎回全部の写真を送り合っているわけではないので、お互いに見たことない写真もたくさんあるのだ。
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