赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―



「話してくださってありがとうございます。実は僕も、幼なじみとまではいきませんが、小学生の頃からの親友と仲違いしたことがありまして。今も和解できずにいるんです。なので、雨村さんのお気持ちは痛いほどわかります」



「大丈夫ですよ」と優しく笑いかけてくれて、今にも溢れ出しそうだった感情がスーッと収まっていった。


さすが未来のお医者さん。

人の心に寄り添い、不安を消し去って安心感で包み込むのが上手い。

最初の緊張感も嘘のように消えて、心臓も一定のリズムに戻った。



「もしかすると、男性に対する苦手意識が、血液結果に影響を及ぼしているのかもしれませんね」

「それって、精神的な問題ってことですか?」

「だと思います。身体に原因があるとしたら、他の項目にも影響が出ているはずなので。他に考えられるとしたら、生活習慣の乱れですが……いかがでしょうか」

「いえ特に。休日はのんびり過ごしてますけど、グウタラはしてないです」

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