赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


図書室自体が校舎から孤立して図書館のようになっているため、その分入る数も多い。

2階立てですごく広くて、勉強場所がたくさんあるのはもちろん、ソファーまであるんだ。



階段を下りて校舎を抜けると、小さな窓がたくさん並んでいるレンガの建物が見えた。

あれが我が校の図書室だ。



「おっ、あったあった」



新刊コーナーへ向かい、早速お目当ての本を見つけた千冬。

その手には、「化学」「実験」と書かれた本が2冊。


理数系が苦手な私には全く縁のない本を選ぶとは……さすが理系。

趣味で薬やサプリを作っているだけある。


確かGW中もずっと実験してたっけ。

また新しいのでも作るのかな?



新刊コーナーをざっと見渡したけれど、残念ながら、お目当ての本は貸し出し中とのこと。


むむむ、一足遅かった。

仕方ない、せっかく来たんだし他の本を読もう。


窓際の席で読書中の千冬の隣に座った。



「お目当ての本はあった?」

「あっ、いや……貸し出し中だって」
< 2 / 316 >

この作品をシェア

pagetop