赤い瞳に今日も溺れる―飢えた漆黒の吸血鬼―


柚季ちゃんの指が私のスマホ画面をスクロールし始めた。

タップすると、タイトなワンピースを着たボンキュッボン体型のお姉さんが画面いっぱいに表示された。



「メイクしてるから顔はあれだけど、頑張ればこれくらい色気は出ると思うよ」

「えええ⁉ でも私、こんなにメリハリボディじゃないよ?」

「いやいや、私からしてみたら風花も充分だよ。去年の宿泊研修で一緒にお風呂入った時、いい体してるなぁって思ったのよね〜。出るとこ出てるし、綺麗な黒髪で肌は柔らかいし」



ツラツラ喋りながら柚季ちゃんは私の頬をプニプニしている。


んんん? ちょ、ちょっと待って?
ツッコミどころがありすぎて頭がついていかない。


お風呂? いい体?
柚季ちゃん、私のことそんな目で見てたの……⁉


混乱して置いてけぼり状態の私に構わず、柚季ちゃんは言葉を並べていく。



「普段肌を隠しているからこそ、見えた時にドキッとするというか。それに顔は清楚系だけど、体型は色っぽいというギャップ。つまり風花は、脱いだらすごいってことだよ」
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