契約夫婦のはずが、極上の新婚初夜を教えられました
 欲情的な彼の動きに必死に応えていると、ふっと笑う声が耳に届いた。

「自然に身を任せておけばいい。無理はしなくていい」

 まあ、そんな君もかわいいけれど──。
 
 耳元で蠱惑的に囁いて、私を未知なる世界に連れていく。
 
 身も心もさらけ出し身体がひとつになると、彼が大きく息を吐く。その息が首筋に触れ、そんな些細なことにも快感を覚え身体が震えた。

「君をもっと愛したい」

 名前も知らない、どこの誰かもわからない、今日知り合ったばかりの男性に抱かれている。
 
 ほんの少しの背徳感と、そんなことすら忘れてしまう恍惚感。

 そんなふたつの真逆な心に翻弄されながらも、彼から何度となく深く突き立てられる熱に次第に意識を手放した。





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