最終列車が出るまで


 私が最終列車に乗るのは、多くても年に一~二回。去年は、一回も乗らなかった。

 名前も、連絡先も知らない。私が彼と会う事は、きっともう二度とないのだろう。

 それでも……

 最終列車に乗ろうと思うたび、私は彼の事を鮮やかに思い出すのだ。

 甘い疼きと、せつなさを抱えながら……



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