一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
『プロか…それは言い過ぎだ』


『いいえ、そんなことないです。本当に…素晴らしかったです…私…確かに彼氏にフラレました。それもついさっき。失恋ほやほやです。気づいたらここにふらっと入ってて、紅月さんのバイオリンが聞こえて…何か、深い闇から一瞬私を救い出してくれたような…そんな気がして…つい涙が』


不思議…


私、初めて会った人に、こんなプライベートなことを話してる…


『涙…とても綺麗だった。だけど、一瞬なら、まだ君は闇の中?…だとしたら…早くそこから救い出したい。もっと…君を知りたい』


う、嘘だ…


私なんかにそんなセリフ言うの、やっぱりおかしいよ…


身長180cmくらいはある、超完璧スタイルのモデルみたいな超絶イケメンが、私みたいな女にこんな甘いこと…


有り得ないよ。


ちょっと待って。


もしかして、落ち込んだスキに入り込んで、私からお金を引き出そうとしてる?


まさか、結婚詐欺!?


だとしたら、失恋した上に詐欺にあうなんて…


本当に…今日は、最低な日。
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