一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
私…


これからどうなるんだろ?


知らない人に着いてホテルに行くなんて…


今までの人生で1度もなかった。


何だか、ものすごく悪いことしてるみたい…


でも…


帰ろうと思えば、今すぐにこの場所から離れられるのに…


そうしないのはなぜ?


判断力がなくなる程、酔ってるわけじゃない。


私は…


今、自分の意思でここにいるんだ。


好きだった彼氏にフラレた夜に、他の男性とホテルの部屋に2人きりになるなんて…


紅月さんが、あまりにも魅力的だから?


私、見た目につられたの?


正直、よくわからない。


わからないけど…


『さあ、入って』


逃げるなら…


今。


ドアが閉まれば、たぶんもう…


ここから出られないだろうから。


なのに、私は…


そうしなかった。


ドアが閉まる音が「パタン」と響く。


中に入ったら、


『窓からの景色、見てごらん』


紅月さんが、優しく私に言った。
< 12 / 147 >

この作品をシェア

pagetop