一夜の奇跡は真実の愛を灯す~副社長の甘い誘惑に溺れて~
結婚式…


桜桃羽がチャペルのドアを開け、お父さんと腕組みをして1歩ずつ俺に近づいて来る。


こんなにも嬉しいものなのか…


生涯で最高に愛した女性と、夫婦になると言うことは…


恋愛に対して完全に冷めきっていた俺の心を、彼女は温めてくれた。


そして…


今、こうして俺達は愛を誓い、指輪を交換して、キスを交わした…


2人の挙式は、親戚、絢斗さん御家族、波山さん、みんなに見守られて無事に終えることが出来た。


その後、グレースホテル東京の披露宴会場で、盛大に豪華な宴が行われた。


父が、亡くなった母にも届くようにと…


にぎやかに明るい披露宴を熱望した。


俺達や父の思いは、きっと母にも伝わったと思う。


天国で微笑みながら、今日の日を祝福してくれていることだろう。


俺達は…笑顔に包まれ、幸せな時間を過ごし、そして…


夜を迎えた。


『桜桃羽…疲れた?』


『ううん、全然大丈夫。麗央さんは?』


『大丈夫。ほら、あそこ見て』


俺は、中庭にある桜の木を指さした。


『うわぁ、素敵。桜…綺麗に咲いてる』
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