余命38日、きみに明日をあげる。

「琉生ー!!」

後ろから俺を呼ぶ声。

振り返ると、自転車に乗った陸乃進が手を振っていた。

俺の隣に来ると、キィィーとブレーキをかけて自転車をおりた。

「おっす。陸乃進にこんなとこで会うなんて珍しいな」

いつもはもっと早く学校に来ている。

「昨日、クリぼっち同士でクリパやったんだよ。遅くまで騒いで気づいたら2時だった」

「はあ? もっと早く気づけよ」

俺は笑った。

ここまで緊張しっぱなしで顔をこわばらせていたせいか、顔の筋肉が少し痛い。

「やべ~ねみぃ~」と、陸乃進は、眠たそうな目であくびをしながら自転車をカラカラと押す。

そして、うらやましそうな目を向けた。

「琉生は、莉緒ちゃんとクリスマスやったんだろ?」

「まあな」

まだ退院できない莉緒と、病院で1日過ごすことは伝えていた。

思い出せば、莉緒の笑顔しか浮かんでこない。

「いいよなあ、彼女持ちは」

たっぷり皮肉られたところで、ちょうど差し掛かった学校前の青信号が、点滅を始めた。
< 267 / 288 >

この作品をシェア

pagetop