溺愛予告~御曹司の告白躱します~

それが果たして今かどうかというのは、後ろにいる水瀬の顔を見なくても分かる気はするけれど。


初恋だと、そう告げてくれた爽くん。
それが嘘だとは思わない。きっと爽くんは本気で思ってくれているってわかってる。

でもきっと、『御曹司』に囚われずにちゃんと彼を見てくれる子に出会っていないだけ。
簡単に自分に靡かなかった私に執着してる部分もあると思うから。

「まぁ。爽くんの気持ちに関しては私がとやかく言えないけど」
「おい」

後ろから鋭いツッコミが入るけど、今は無視を決め込むことにする。

「でも私なんかに執着しなくても、もっと可愛くていい子が見つかるよ」
「そうかな」
「そうだよ。みんながみんな爽くんを好きになると思ったら大間違いだよ」
「…ヒドイ」
「御曹司としてじゃない爽くんを見てくれる子も絶対いる。ちゃんと顔も身体も好みのね」
「あ、莉子先輩そこ気にしてました?」
「失礼な奴だなとは思ったよ」
「あはは!やっぱり莉子先輩面白くて好きです」

会社の駐車場に爽くんの大きな笑い声が響いた。



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