溺愛予告~御曹司の告白躱します~

「おはよう、莉子」
「ずっ、ズルい!自分だけ着替えてる!」
「コンシェルジュに頼んでたもの受け取ったんだよ」

ほら、と大きな袋を渡される。

中を見ればトラベルセットのようなスキンケア一式に歯ブラシ、着替えにベージュのパーカーワンピースにリブパンツ。
ご丁寧に靴下とスニーカーまで入っている。

中身が見えないよう紙袋に入れられているのは、おそらく下着類だろうと思われた。

さらに、肌荒れ対策に小さい瓶の美容ドリンクまで…。

きっとこれを買いに走ってくれたのは女性のコンシェルジュだろうが、細やかな気配りに頭が下がると当時に気恥ずかしくなった。

「シャワー使うか?」
「…お借りします」

昨夜は結局お風呂に入ることも夕食を食べることもなく寝てしまった。

ベッドから起き上がることすら出来ず、パジャマ代わりのTシャツを蓮に着させてもらうと、極度の緊張と何度も身体を繋いだ疲労感からすぐに眠りに落ちた。

メイクすら落としていない。

早速バスルームに行きたいところだけど、下着すらつけていない状態のTシャツ一枚で蓮の前を歩くのは何とも心もとない。

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