溺愛予告~御曹司の告白躱します~

とにかく、今日彼が話したいという事柄が、私が懸念していることと関係なければいい。

とんでもない決意を秘めているだなんて、私の勘違いだといい。

質問に答えないままの私に焦れたのか、眉間に皺を寄せる。

「佐倉」
「なに」
「何考えてるか当ててやろうか」
「やだ」

エスパー水瀬は怖い。
本当に頭の中を覗かれそうで、目線を合わせるのも躊躇してしまう。

暴かないで。
私が何を望んでいるのかわかるのなら、それ以上踏み込んで来ないで。

「『早く焼き鳥食べたい』。これが一つ目」
「…やだって言った」
「もう一つは」
「水瀬」
「勘違いじゃないから」

遮ろうとする私の言葉を聞いてくれず、視線を絡ませて強引に言い放ったのは『勘違いじゃない』という意味深なセリフだけ。

何が、とは聞けない。
聞いてはいけないと頭の奥で警鐘が鳴る。

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