溺愛予告~御曹司の告白躱します~

同期だからと営業でもない水瀬に自分から頼るなんて、きっと出来なかった。
せいぜいお酒を飲みながら愚痴るだけ。

そうやってぐるぐる同じところをただ回ってるだけの私の思考を掬い上げて、進むべき方向を照らしてくれる。

水瀬がいつも、本当にいつも助けてくれる。


「…ジェットコースターとかゲーセンの部品作ってるところなんだけどね」

私はこの半年の生田化成とのやり取りを順を追って説明した。

真剣に聞いてくれる彼に力を貰って、一度デスクに戻ってプレゼン用の資料を持ってきてさらに詳しく内容を話す。

元々半年前までは同じ課で同じ仕事をしていただけあって、短い時間で理解してくれた。

すると私の話を聞いていた水瀬は腕を組んだまま考え込み、閃いたようにパッと私に向き直った。

「いける!佐倉、この案件うちの部署も巻き込もう」
「…え?」

言っている意味がわからずに聞き返すと、水瀬は既に道筋が見えたと勝ち気に微笑んだ。

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