【改訂版】新まりなの日記

【二度目のお見合い】

2月9日・晴れ

この日、アタシは二度目のお見合いをすることになった。

友人のダンナが得意先の会社の知人にアタシのお見合いのお世話をお願いした。

得意先の会社にいる知人と言うのは、こともあろうに鳴門で暮らしていた時にお世話になった戒田さんであった。

アタシは、戒田さんのお世話になる形で二度目のお見合いをした。

2012年にアタシがホストとトラブった件で、戒田さんが知り合いの弁護士さんにたのんで問題を解決していただいた。

戒田さんにお礼を言わなアカンのに、すっかり忘れていた。

せやけん、お会いしたらまずお世話になったことのお礼の言葉を伝えようと思った。

さて、アタシのお見合いの相手は43歳の男性で名前は健伊知(けんいち)さんと言う。

学歴は高校卒業で、職業は東鳥生町にある食品製造会社の工場に勤務で、月給は8万円であった。

二へん目のお相手も、非正規雇用で低賃金の稼ぎの悪いロクデナシの男や…

住んでいる場所は、末広町の借家で母親と二人暮らし…

こともあろうにあいつ(健伊知さんのことは以後あいつと表記する)の家が友人のダンナのおじ夫婦の家のすぐ目と鼻の先にあるので、アタシはイキショウチンした。

友人はアタシに『きちんとした服装で来てくださいと戒田さんが言うてたよ。』と口やかましく言うたけん、アタシは『繰り返して言わんといて!!』と言い返した。

アタシは、わだかまりを抱えたままあいつとお見合いする日を迎えた。

アタシは、上はグレーのノースリーブのタンクトップを着て、その上から白のブラウスをはおって、ボタンも止めない状態にして、下はボブソンのジーンズを着て、ジャラジャラとしたアクセサリーをつけて、サンダルをはいて、くちびるにマゼンタのリップをぬって、ほほにはうすべに色のアイシャドウで染めて、とがったマスカラをつけて、つめにはダークブラックのマニキュアでそめた姿で、赤茶色のバッグを持ってお見合いに行った。

ところ変わって、今治国際ホテルのエントランスにあるカフェテリアにて…

アタシは、あいつとお母さまが待っている席にやって来た…

あいつは婚礼用のスーツに白いネクタイ姿で、お母さまは婚礼用の和服を着ていた…

派手な格好をしたアタシを見た戒田さんは、ビックリした。

戒田さんは、アタシに『どうしてきちんとした服装で来なかったのかな?』とあつかましい声で言うたけん、アタシは『悪かったわね!!』とすごんだ。

どす黒い空気がただよっている中で、お見合いが始まった。

あいつは、終始うつ向いた表情でいた…

あいつのオカンは、オタオタオタオタおたついた。

せやけん、その場でお見合いを断った。

再婚したいと思っていたけど、やっぱりヤーメタ…

(まりなは、この日記の翌日に戒田さんが電話で『再婚しなさい』と命令したので、仕方なく健伊知さんと再婚した。)
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