【改訂版】新まりなの日記

【アカン!!】

8月22日・くもり

新生活を始める準備がすべて整った。

広島を出発する日を8月29日と決めた。

この日、アタシは予定通りにお好み焼き屋さんのチュウボウでキャベツを切り刻む仕事とファミマのバイトをした。

夜11時40分頃だった。

アタシがバイトをしている紙屋町東にあるファミマに、あいつの父親と長兄と次兄夫婦が土足で押しかけてきた。

あいつがヤクザがらみのもめ事を起こして行方不明になったことを、あいつの家族たちが言うた。

あいつの父親は『婿養子先の家からゼツエンされた…わしらは困っている…』とアタシに言うた。

アタシは、陳列ケースに新しく来たお弁当を並べながらあいつら(家族)に言うた。

「あんたらがアタシにどう求めてアカンもんはアカンねん!!あいつがドタマかち割られても、アタシはセンコウあげんけん!!」

アタシの言葉に対して、兄嫁はこう言うた。

「まりなさん、どうしてそんなひどいこと言うのよ…」
「はぐいたらしい女ね!!アタシはあいつが助けを求めても、助けへん!!」

アタシの言葉に対して、あいつの父親はアタシに言うた。

「まりなさん、うちに戻ってほしい…この通りだ…」
「イヤ!!断るわ!!」

アタシの言葉を聞いたふたりの兄は、アタシにこう言うた。

「どうしてもダメですか?」
「イヤやと言うたらイヤや!!」
「それじゃ、まりなさんは放浪生活を続けるのですか?」
「その通りよ!!」

アタシは、右手の薬指につけているエンゲージリング(イミテーションだけどね)をあいつらに見せながらこう言うた。

「アタシね…好きなカレができた…高収入で、高級車もたくさん持っている…高価な着物も、アクセサリーもたくさん買ってあげる…芦屋の一等地にある特大豪邸で暮らさないかと言われた…アタシ…カレの元へ行く…これからは、芦屋の一等地の特大豪邸で同棲生活をする…せやけん…もうアカンねん…アタシのことはあきらめてよ!!」

あいつらは、納得が行かないとアタシに言うた。

兄嫁は、アタシにこう言うた。

「まりなさん、アタシたちは…まりなさんともう一度仲良く暮らしたいのです…お願いします…クビをたてにふってください…」
「帰ってよ!!帰らないと知人の組長を呼ぶわよ!!」

アタシは、あいつらを怒鳴りつけたあと奥の部屋に逃げ込んだ。

(その頃、則文は山口県周南市内の酒場街で乱闘事件を起こした…そのあげくにヤクザのチャカでドタマかち割られた…同時に、家族はリサンした。)
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