【改訂版】新まりなの日記

【うわさ】

10月20日・雨

この日は、朝から冷たい雨が降っていた。

アタシは、電車を乗り継いで児島競艇場へバイトに行った。

アタシは、競艇場内のスナックコーナーのチュウボウで冷凍めんを湯がいていた。

仕事が一段落した時であった。

チュウボウにいたおばちゃんがアタシに声をかけた。

おばちゃんは、アタシに声をかけるなりに『ちょっと小耳にはさんだ話だけどね…』と言いにくい声で言うた。

アタシはこの時、カレが倉敷市内のラブホに出入りしていることを聞いた。

おまけに、カレは女をとっつかえひっつかえしていた…

おばちゃんからの話を聞いたアタシは、ドカーンとブチ切れた。

この日の夜のことであった。

アタシが部屋に帰ってきた時、留守番電話の赤いランプがチカチカと点滅していた。

アタシは、ノートを開いてボールペンをカチッとノックしてメモを取る準備をした。

その後、留守電の再生ボタンを押した。

そしたら…

『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!』

(ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ!!)

女性の強烈な叫び声と布が思い切り破れる音が部屋中に響き渡った。

女性は、カレの名前をひっきりなしに叫んでいた。

それを聞いたアタシは、背筋が凍った。

こわい…

こわい…

もしかして…

レイプ…

なんで恐ろしいレイプシーンを留守電に録音すんのよ…

イヤ…

こわい…

こわい…
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