【改訂版】新まりなの日記

【アパート借りたいのに…】

2月11日・くもり

アタシは、休日ごとに高松市内にある不動産屋さんに行って、アパートを探し続けていたけど、断られてばかりいた。

断られる理由は、保証人の問題であった。

部屋を借りたい…

それには、礼金・敷金・権利金などの費用の他にも、保証人が必要である。

今のアタシには、保証人になってくださる人がいない…

せやけん、部屋を借りることができん。

アタシは、友人に保証人が見つからないと打ち明けた。

友人は『まりなの気持ちはよくわかるわ…できれば、力になってあげたいのだけど、うちもオトンの病気のことがあるし…どうすることもできないわ…』と言うて、アタシの保証人になれんと断った。

アタシは『布施(東大阪市)の親戚のひとに迎えに来てもらおわい。』と友人に言うた。

そして、工場が業績不振のために従業員さんを1000人前後減らす計画があることを理由に勤めをやめることも言うた。

しかし、新しい事業所へ再就職して、新しいアパートで暮らすにしても保証人がおらんけん難しい…

保証人なしで再就職と言えばパチンコ屋さんかソープなどのフーゾク…

あいりん地区(大阪西成区)で日雇い労働者として暮らすか…

それとも、布施の親戚のひとたちに迎えに来ていただいて、東大阪市内の福祉施設の利用者になるか…

選択肢はその3つだけしかない…

どないしようか…

(まりなは、その次の日の朝工場から解雇の通告書を受け取った。)
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