【改訂版】新まりなの日記

【岡崎岸壁】

7月14日・晴れ

この日は、梅雨明けを思わせるような暑い日曜日であった。

アタシは、撫養町内にあるコインランドリーで洗濯した後、岡崎岸壁へ散歩に行った。

昔、大毛島に向かう渡船場があった岸壁である。

昔の渡船場にて…

アタシは、メンソールをくゆらせながら海をながめていた。

笠置さんの家を飛び出してから、どれくらい経過したのか…

アタシが2度目の家出をした時、笠置さんは激怒していた。

その上に、布施で暮らしているアタシの親せきの人たちが笠置さんの家にやって来てドカバキの大ゲンカに発展したと聞いた。

アタシは、家族団らんで過ごすことが苦手である。

笠置さんカタに居たとき、同じ食卓に座って、同じ料理を食べながら仕事や勤労青少年ホームの会員さん同士のカップルさんの結婚が決まったことなど…グダグダグダグダ話しよった…

せやけん、うんざりした。

1台のテレビで、家族が同じ番組を見ると言うてもプロ野球中継や夜のニュース番組ばかり…

笠置さんが言う家族とは、なんやねん?

家族で仲良く暮らすとは、コシュの自己中心的な満足だと思う。

メンソールをくゆらせながら、アタシはそうつぶやいた。

夕方、撫養町内にある居酒屋さんに行った。

アタシは、やきとりをさかなにホッピーをのみながらテレビを見ていた。

テレビの画面に、テレビ和歌山で放送されている旅番組で京都の観光名所が映っていた。

アタシは、高校時代の友人を思い出した。

今ごろどうしているかな…

アタシは、高校時代の友人を思いながらホッピーをのんだ。
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