恋愛境界線
scene.25◆出来るならとっくにそうしてる
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今日もミスなく一日の仕事を終え帰宅すると、マンションの前に人影があった。


「おかえり。遅かったね」


「……純ちゃん。どうしたの?」


「んー、たまたま近くを通り掛かったから寄ってみただけ」


しゃがみ込んで待っていたらしく、純ちゃんは立ち上がって埃を払い落とす仕草をした。


「メールくれれば良かったのに。結構待ったんじゃない?」


「ううん、そうでもないよ。急に来て悪いんだけど、ちょっと寄ってもい?」


勿論、と答えて部屋まで純ちゃんを通す。


純ちゃんは、「お邪魔します」と言って、室内へと足を踏み入れた。


「家財はこっちにないんだね」


「うん。ここを借りる時に渚が、どうせここは一時しのぎに過ぎないんだから、ちゃんと決まったら運べって」


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