恋愛境界線

私の言葉に、支倉さんがくすくすと笑う。


「大丈夫よ。あそこの事務所、所属タレントにはプライベートでも自分で運転することを禁じてるし、スクープ写真に関しては、万が一撮られたとしても今の彼女の扱いからすると、他のゴシップ記事に差し替えさせるでしょ」


同じ業界に身を置きながらも、その手の話題に疎い私は、支倉さんの言葉に興味深く耳を傾けた。


「ところで、さっきからあそこ、すごいと思わない?」


少し離れた場所に出来ている人だかりを指して、支倉さんが苦笑する。


そこには、女性陣に囲まれている若宮課長と深山さんの姿があった。


「お二人とも、普段飲み会には参加しないから余計にですよね」


「芹沢さんも加わらなくて良いの?」


「ここで色々食べてる方が有意義ですよ」


そう言いながら、グラスを手に取る。


「ふーん?そう言えば、この間、若宮くんと一緒にご飯食べに行ったんだって?」


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