期間限定恋人ごっこ【完】番外編


そっと、前者であってほしいと願った。

それにしても!どうして眠ってしまったんだろう。


『クライマックスどうなったの?』



雰囲気を直すように映画の内容を訊く。



「あぁ、最後は主人公のサムが…_____」



クライマックスで寝てしまった私に誠人はその最後を終えてくれて、話しているときの誠人はキラキラしててここ1週間で1番楽しそうかもしれない。



『へぇ。そんな風に終わったんだ』

「あぁ。つか、あれは絶対続編あるな」

『そうなんだ?じゃあ次も行こうよ』

「え…?」



あ…しまった。私たちに次なんてもう…。



『ううん、何でもない。あのさ、最近サオリさんどう?』



話題を変えるためにサオリさんのことを訊くと、ちょっかいは出してこないものの私たちのことを異様に訊いてくるらしい。


まだしつこいんだ。


それを理由に狡くて悪い女の私は____



『ねぇ誠人、既成事実作ろっか』



そんな事を持ちかける。



「は?沙夜何言って…」



途中まで言葉を口にした誠人だけど意味が分かったようで「分かった」と言って私の手を引くとホテルへと踵を返した。



ホテルに入って部屋のベッドに腰掛ける男女は今からそういうことをしますという雰囲気じゃなくて、ただ座ったまま。




「しんねぇんだよな?」

『しない。ただ布団の中に入っそれっぽい証拠写真が撮れればいい』




したいの? と問えば「別に」と素っ気ない言葉が返ってきて胸の奥が少し痛んだ気がした。



私は女としても見てもらえてないのかと思わされた。



冷たく冷静に言っているようにしてはいるものの、内心冷静になんてなれるはずなくてザワザワと騒がしい。



色んな意味でドキドキと五月蝿い。



誠人に上着を脱ぐように言うと素直に上を脱ぎ始め、美しい肉体が姿を現した。


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