期間限定恋人ごっこ【完】番外編
誠人は上着、財布やケータイを手にして部屋を出て行った。
バタン___と音を立ててしまったドア。
ドアが閉まる瞬間逞しいその背中が歪んでいた。
今も視界は良好ではなくて、ボヤけてしまっている。
『ふっ…うぅ___っぐ…ふぇッ____ッふぅぅ』
ボロボロに泣き、ついに立っていられず泣き崩れた。
声を出して泣いた。
目から零れ、頬を伝い…流れ落ちていく雨は止むことを知らず、小雨から豪雨へと変わった。
抑えていた声ももう我慢できずにワンワンと小さい子供のようになっている。
今はいい、今だけは子供のように泣くことを許して欲しい。
十分に泣いた後、泣き疲れで私はベッドの上で眠りについてしまっていた。