姉のカレシの、闇に溺れて



 恐怖で震える私の手から、悠一さんはスマホを取り上げた。


「………じゃあ沙羅ちゃん、また」



 冷たい口調でお姉ちゃんとの通話を終えた悠一さん。ゆっくり私に近づくと、優しく私を抱きしめた。


 大切な物に触れるように優しく頭を撫でられる。


 悔しい……
 死にたいほどムカつくのに、今触れられていることが心底落ち着く。


 こんな自分がイヤになる。


「紗和、俺の声が好きって言ってくれてたよな?それでいいよ。声だけでいい、俺のこと好きでいて」



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