姉のカレシの、闇に溺れて
沙羅が『ユウくん今から来る』という事を紗和に言ってしまえば、そのまま逃げられるかもしれない。
念の為に、『紗和ちゃんには俺が来ること言わないでね』と内緒にさせる。
ケーキでも買えば紗和の機嫌は取れるだろう。
美味しいと有名なケーキ屋さんに寄り、紗和が好きそうなケーキを3個ほど選び、沙羅の分も一緒に買っていく。
電車に乗り、前回行ったことがある為、今回は沙羅のお迎えはなく家に到着した。
インターホンを鳴らすと『はーい!』と、何も知らない紗和がドアをあけてくれた。
俺を見るなりあからさまにイヤな顔をする紗和。
ケーキを買っといて良かった。
「さっき勉強見てあげれなかったから。家なら構わないだろ??」