姉のカレシの、闇に溺れて


 沙羅が『ユウくん今から来る』という事を紗和に言ってしまえば、そのまま逃げられるかもしれない。


 念の為に、『紗和ちゃんには俺が来ること言わないでね』と内緒にさせる。


 ケーキでも買えば紗和の機嫌は取れるだろう。


 美味しいと有名なケーキ屋さんに寄り、紗和が好きそうなケーキを3個ほど選び、沙羅の分も一緒に買っていく。


 電車に乗り、前回行ったことがある為、今回は沙羅のお迎えはなく家に到着した。


 インターホンを鳴らすと『はーい!』と、何も知らない紗和がドアをあけてくれた。



 俺を見るなりあからさまにイヤな顔をする紗和。


 ケーキを買っといて良かった。


「さっき勉強見てあげれなかったから。家なら構わないだろ??」


< 159 / 271 >

この作品をシェア

pagetop