゚+*:;;:*《BL》僕らの奇妙な一ヶ月 *:;;:*+゚
第1話十年後の未来に来ました‼
危ない‼

その叫びと共に
僕は信号無視の車に吹っ飛ばされた。

*★*――――*★**★*――――*★*

『目が覚めたかい?』

ぇ……

この声は学生時代の友人
不知火寛樹《しらぬいひろき》だ。

「寛?」

しかし、心なしか大人びている。

『そうだよ。

だたし、十年後のだけど』

じゃぁ、僕はあの事故で
【未来】に飛ばされたってことか?

小説かマンガのようなことが起きてるんだな。

にわかに信じられないが
寛の声の感じからして嘘ではないんだろう。

『買い物帰りに君を見つけて
俺の家に連れて来たんだ』

優しい所は相変わらずだな。

「ありがとうな」

寝かされていたソファーから
体を起こし、寛の方を向いた。

ぅゎぁ、高校時代もイケメンだったけど
十年経って、更にかっこよくなってる。

「恋人、いるんだろう?」

僕の質問に寛は笑った。

『いるよ』

やっぱり……

『こっちの君だよ』

落ち込みかけた瞬間
驚愕の言葉が返って来た。

十年の間に何が起きるんだ⁉

『今、仕事に行ってるから
夜には帰って来るよ』

この口振りからすると
一緒に暮らしているんだよな?

「なぁ、寛。

何で僕なんだ?」

この容姿なら男女問わずモテるだろうに。

『それはね、
八年前に再会した君に
俺が告白したからさ』

てっきり、我慢できなくなって
僕からだと思ったけど
寛からだとは意外だ。

「じゃ、付き合い出して二年ってこと?」

『そうだよ。

一緒に暮らし出して一年だよ』

僕や寛の両親達は
さぞや驚いたことろう。

高校時代、僕達は
そんな素振りを見せなかったし、
(僕は好きだったけど)。

そもそも、寛が僕を
何時から好きなか知らない。

『まぁ、元の世界に帰れるまで
此処にいるといいさ』

寛の言葉に吃驚したけど
行く宛もないし、帰る術も
わからないから
未来の僕と寛にお世話になることにした。

「ありがとう寛。

何か手伝えることが
あったら言ってくれ」

『ありがとう』

*★*――――*★**★*――――*★*

夜、こっちの僕が帰って来て
事情を話すと快く受け入れてくれた。

こうして、僕が【元の世界】に帰れるまで
三人でのちょっと可笑しな生活が始まった。
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