王女ちゃんの執事1『で・eye』加藤さん、きれいです。
 おれは自分のことはさっぱりわからないくせに、ヒトのことをわかったふりをするのは得意だから。

 そんなわけで、ガイコツマンの頭の中もスルッとマルッとお見通し。
 やつは今度のことがあるまで、絶対におれのことなんか眼中になかったはずだ。
 良い子ちゃんでも悪い子ちゃんでもない。
 クラスの中心にいるわけでも、すみっこでうずくまっているわけでもない。
 いたって普通。
 ドラマでいうなら生徒1。
 ただちょっと、今回のことはおれ自身がとまどっている宙ぶらりん。

 反発するわけじゃないけど従わない。

 それって実は、スゲー“自分自身”が必要なことだったなんて。
 始めちゃってから気づいてもなぁ……。

< 2 / 43 >

この作品をシェア

pagetop