君の想いは僕のもの。

気づきの夏祭り!




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夏休みも終盤に入り、今、わたしとせいちゃんは、冷やし中華を食べているところだ。



そして今日、わたしにはミッションがある。



それは夕方から始まる、『神燃祭』という夏祭りにせいちゃんを誘うことだ。



『神燃祭』の由来とは、神様へ願いを燃やして送るという意味が込められていて、このお祭りならではの願いを叶える儀式のようなものがある。



「ねえ、せいちゃん。今日このあと暇だったりする……?」



予定があると言われるのが怖くて恐る恐る聞いてみた。



「うん。暇だよ」



「あの……ね……えっと……」



「ん?」



どう誘えばいいか分からないわたしは少しだけ黙ってしまった。



「あ、そうだ。今日お祭り一緒に行かない?」



「へ?」



「行きたくない?」



どうやら、気を使ってせいちゃんから誘ってくれたみたいだ。



「ううん!行きたい!行きたすぎるよ!」
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