涙の理由
第一粒 無紙
「おはようございます」
私はこの声でいつも目が覚める。
「朝でございますよ、御朝食も出来ております」
私から掛け布団を綺麗にとり、ニッコリ笑った。
「それでは、一階の方でお待ちしておりますよ」
そういい、入ってきたであろうドアから出ていった。
「…………」
私は無言だった。一言も喋らず一つの表情もつくらない。
私は化け物―――。