マネキン少女
イジメ
ユリカとの関係に溝が出来た気がして、まともに眠れなかったせい体が重い。


一瞬学校を休むという選択肢が浮かんだが、今はユリカが傷付いている状態だ。


私なんかじゃユリカの傷を癒す事は出来ないが、せめて寄り添っていたい。


私には、それしか出来ないから。


重い身体を無理矢理起こして、顔を冷たい水で洗うと髪をとかし、歯磨きをした。


ボンヤリとした頭が冴えてくる感覚が気持ちがいい。


自分の頬にペシッと気合いを入れ、制服に着替えると学校に急いで向かう。


白の運動靴から上履きに履き替え、教室に入った瞬間、生徒達の視線がいっせいに私を見た。


ギョロリとした視線が舐めまわすように、私を見て嫌な予感を覚える。


興味本位に向けられた視線
グニャリと歪んだ口角


その全てが気持ち悪いが、ただの気のせいだだと言い聞かせながら、椅子に座ろうとする。


その瞬間、一部の生徒の笑い声が鼓膜に届いた。


__ドクリ、ドクリ


心臓を静かに脈打たせながら、教室を見渡す。


私の目に入ったのは、見覚えの有る紙切れ。


それは、ユリカと一緒に好きな人へ対する思いを綴ったブルーの便箋だ。
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